わたしたちを成功へと導き、厄災から身を守ってくれると言われる「眷属(けんぞく)」をご存じでしょうか。実際に見えない力によって人生が変わった、命を助けられた経験をされた人もいるでしょう。神道のお稲荷さんやヤタガラスなどの眷属は有名ですが、仏教で言う眷
属の違いはよく分かりませんよね。 そこで今回は仏教における「眷属」について分かりやすくまとめました。
執筆者:コノハナ
※敬称略
神道(しんとう)だけではない? 仏教にも眷属がいるの?
眷属と言えば化物語=神社のイメージがあるので、
神道を連想する人が多いかもしれませんね。
でも、仏教にも眷属は存在します。
仏教の眷属も神道と同じように上の方の使いや守護者としての役割を担っていますが、
違いがあるので見ていきましょう。
仏教に出てくる仏様には
・悟りの境地を開いた最高位の仏様である「如来」
・まだ悟りを開いていない修行中の仏様「菩薩」
・観音、明王、天や天部
それぞれの仏様に眷属がいます。
そして、その眷属にもさらに眷属がついているという考え方です。
仏教の眷属と神道の眷属の違いは?
同じ「眷属」でも仏教の眷属と神道の眷属は少しニュアンスが違ってきます。
仏教の眷属は仏様の弟子(親族)達
仏教は現実世界の仕組みに近い考え方から発展しているため、眷属というと「親族」や「弟子」に近い形で発展していきます。
もともとインドでは一族や召使を養えるような暮らしを理想とする考え方があったため、仏教における眷属の考え方もこういった影響を受けていると言われています。
ある仏様に仕える眷属にも眷属がいて、そのまた眷属にも眷属がいて…というようにどんどん輪が広がっているようなイメージです。(仏教の曼荼羅からもその様がイメージできますよね)
神道の眷属は主に動物
対して神道の眷属の多くは動物です。動物といっても神様に代わって意志を伝えたり、御用をなすため人を越える力を持ち、神様として崇められる対象になっています。
眷属が動物という点は仏教と大きく異なります。
また、神道における眷属は超自然的な能力を持ち合わせているところも仏教の眷属との大きな違いではないでしょうか。
仏教における眷属達と役割
仏様に仕える眷属達
仏様に仕える眷属達をご紹介しましょう。
・薬師如来の十二神将
・お不動様の八大童子
・千手観音の二十八部衆
などは仏様の眷属として有名です。
また、曼荼羅(まんだら)では大日如来(だいにちにょらい)を中心に各位の仏様が配置されていますが、大日如来の周りの仏様が如来の眷属であるという考え方もあるそうです。
仏教の眷属はどんな役割をする?
仏教における眷属は複数でおひとりの仏様をサポートすると考えられています。役割としては、仏様の教えをいただき仏様のお手伝いをしたり、御用をしたりといった具合です。
仏教の場合は眷属の数もかなり多いため、必ずしもサポートをするだけが眷属というわけでなく、仏様や菩薩に「従う者」も眷属として数えられています。
仏教眷属は如来や菩薩のサポート役
以上が仏教における眷属のです。
同じ眷属でも神道の眷属と仏教の眷属はまた違った意味合いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
仏教はより現実に近い世界観の元に存在しているため、神道の眷属よりもイメージしやすいいかもしれません。部下と上司、師匠と弟子の関係にも例えられますね。
お寺に行った際に仏様と眷属の関係を知っていると、参拝がまた趣深いものになりますので
意識として仏教の眷属様に想いを馳せてみてはどうでしょうか。
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